ショップ情報
BUNJIROWの帽子作り
130年続く帽子作りの経験と受け継いだ技術
文二郎帽子店の帽子はすべて手作業で作られている。
丸形の日本人の頭に合わせて作られた独自の木型や金型、
戦前から使い続けているプレス機など、今では入手困難な昔ながらの道具を用い、
高い技術と厳選した天然素材によってこだわりの帽子を生み出している。
「型」は時代に即したデザインや大きさなどを増やしながら代々受け継できたもの。
現在は「ツマミ」「ベーシック」「スジイリ」など主に15種類ほどを使用している。
帽子作りは、まず帽体選びから始まり、型に入れてプレス、のり付け、乾燥、と何回か繰り返して
成形し、クオリティマーク、リボン、ビン皮付けなど数多くの工程を経て帽子に仕上がる。
【帽体選び】
草の細さでパナマのグレードは選別される。天然素材は均一ではないため細部まで品質を確認し、
注文のグレードに相応しい帽体を選ぶ。
パナマの帽体はエクアドルで編まれたもの。1つの帽体を編むのに平均的なものでおよそ1週間、
最高級の「モンテクリスティ」は熟練の編み工が3ヶ月以上掛かって編み上げる。
BUNJIROWの帽子は使用する帽体にもこだわり、日本人の頭に合わせた高さ・サイズで製作を
依頼し輸入業者から取り寄せている。
【プレス】
最も重要な「型入れ」。蒸気を当てて帽体を柔らかくしてから金型に入れ込み、圧力と熱を加えて
成形する。パナマ帽体は編み方や乾燥具合など1枚1枚個体差があり、素材の状態を見極めながら、
帽体に合わせて1つずつプレスする分、手間と時間がかかる。
でき上がったものが均一な仕上がりになるように型入れするのが帽子職人の腕の見せどころ。
型入れをする仕事場は常に蒸気をたいており、夏は40度を超える暑さとなる。
数十キロある型を次々と移動させるなど体力も必要とされる。
【ミシンの工程・リボン付け】
付属品を付けるミシンの作業は、手加減が難しく正確な技術が求められる。
帽子の曲線に添わせてリボンを付けるのには熟練の技術が必要。
思い通りにリボンが付けられるようになるには年月がかかる。
帽子によってはカンカン帽のように素材の固いものもあり、長年使った指ぬきは貫通するほど。
【ツバの仕上げ】
パナマのツバ(ブリム)を仕上げる。小石が入った30キロの重しを熱して押し当てて形を作る。
ツバの角度は「スナップブリム」「ハイバック」「オールアップ」などがあり、同じクラウン型
を用いても、ツバの仕上げが変われば帽子の表情も変わる。
文二郎は言う。「どこに出しても恥ずかしくない帽子を作る意気で仕事に向かってきた。
そのためには基本に忠実であることが大切で、決められた工程の1つをおざなりにしても、
それは結果として製品に出てしまうものだ。」
現在、文二郎に指導を受け、主に製作に携わっているのは40代の若い職人である。
日々の帽子作りは手仕事が中心で、時間と労力を惜しまずコツコツと取り組むことばかり。
「手間を掛けなければ良い帽子はできない」これは引退したお針子さんがいつも口にしていた言葉だ。
創業から130年続く帽子作りの経験と受け継いだ技術。
これからもスタッフ一同、製作への情熱を絶やすことなく、日本人に合う帽子、帽子好きに愛される帽子、
そしてもっと帽子好きが広がるような良い帽子作りに励んでいきたい。
創業者の西川仁平(にへい)。 ハワイで帽子の技術を習得し、 神戸の元町で西川屋帽子店を開く。 |
神戸元町の西川屋帽子店 明治27(1894)年頃の写真。 店の看板には「麦藁帽子御注文ニ応ズ NISHIKAWA 西川屋帽子製造販売店」と書かれている。 |
西川製帽4代目 西川 文二郎 西川製帽(株) 代表取締役 実店舗 文二郎帽子店 店主 |
西川 綾 文二郎の娘。西川製帽5代目。 |
ワハブ・アラハッサン WAHAB ALHASSAN 文二郎の娘婿。西アフリカのガーナ出身。 型入れ技術等、文二郎仕込みの匠の技を習得。 |
その他リボン付け、ビン皮付け等、帽子の付属品を専門とする職人数人でBUNJIROWは作られている。
【帽子づくりの現場】